去る12月18日、前園長であり現理事長の保良徹氏が慢性腎不全のため88歳で永眠いたしました。ここに生前のご厚誼に深謝し謹んでお知らせ申し上げます。

　故人は一昨年の4月、玄関先で転倒、大腿骨を骨折しリハビリ病院に入院します。歩けるまでに快復しますが。その間に持病であった糖尿病が悪化し、再入院することとなります。腎臓に負担がかかっていたこともあり、透析治療を余儀なくされます。そんな状態でしたが、いつもご自分のことよりも幼稚園のこと、子ども達のことを心配しておられました。私が最後にお会いしたのは12月17日の夕方、「明日で無事に第二保育期が終わります」と報告すると「それは良かった」と言わんとするかのように頷いてくれました。その晩、容態が急変します。

　私が最初に先生とお会いしたのは、就職面接の時でした。当時、初めてｸﾞﾚｰｽ幼稚園に男性教員を採用するということで、私ともう一人の男性の二名を雇うことになったのです。その後、女性社会で過ごす私たち二人を気遣って、食事に連れて行ってくださり、直接私たちの話を聞いてくださりました。そこで先生が応援してくださっていると知り、勇気と自信が沸いてきたことをついこの間のことのように覚えております。その後も男性職員が採用される度に、いつも優しく話を聞いてくださり、私たちにとって父のような存在でした。先生から教えてもらったことはたくさんありますが、その多くは徹先生だからこそ成しえたものであり、私がいくら真似しようと同じようなことはできません。先生ももちろんご承知のことだと思っております。ただ、先生にはない私の得意分野活かしながらグレース幼稚園の受け継がれる伝統を大切にしていきたいと固く心に誓います。

　徹先生、本当にいろいろお世話になりました。天国から千里山グレース幼稚園こと、子ども達や保護者、職員、みんなのことを見守り応援してください。そして、どうぞ安らかにお眠りください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　園長　西田　譲