教育方針
一人ひとりの内にある欲求や興味を汲み取り、
時間をかけてそれを望ましい方向に導くのが
“グレース流”の教育です。

理事長挨拶

このたび前理事長の退任に伴い、理事長に就任いたしました。

今、1000年に1度ともいうべき時代の大転換期を迎えています。
さらに、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大は、社会活動全般に大きな影響を及ぼしています。
こうした歴史的大転換期に、グレース幼稚園ではこれまで培ってきた伝統を継承しながら、未来に求められるサステナビリティな視点も取り入れてまいります。

全教職員、園長と共にグレース幼稚園のために誠心誠意尽くしていく所存です。
今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。
2021年4月1日
理事長 保良 薫


園長挨拶

令和元年1月22日の理事会において、認定こども園千里山グレース幼稚園園長を務めておりました前園長 保良 徹が退任するとともに、後任には私 西田 譲が令和2年4月1日付で就任いたしました。ここに謹んでご報告申し上げます。

引き続き教職員一同、“あそび”を大切にし、一人ひとりの内にある欲求や興味を汲み取り、時間をかけて望ましい方向に導く“グレース流”教育を実践すると同時に、恵まれた環境を大いに活かし、子ども達の意欲が十二分に掻き立てられるような日々を過ごせるよう努めて参ります。私西田は4代目園長となりますが、創立80年という長い歴史から築かれた伝統と経験に、今の社会ニーズを調和させた「子どもも大人も幸せになれる理想のこども園」を目指し、今後も引き続き吹田の私立幼稚園として、またこども園としてもパイオニアの役割を果たしていきたいと切に願っております。

今後とも変わらぬご支援ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。


園長 西田 譲

沿革 History

保良せき(第2代園長)は、一子徹(第3代園長)のために住み込みの保母を雇い入れ、
知人の子女6人と共に、自宅で就学前教育をしました。
それは欧米のナーサリーに倣った形態であり、グレース幼稚園の源流です。

方針 Policy

それぞれに個人差はあっても、就学前に獲得しておかなくてはならないバランスのとれた“育ち”を援助する、総合的な幼児教育“pre-school education”です。
“あそび”を大切にし、じっぱひとからげの集団教育に陥ることなく、一人ひとりの内にある欲求や興味を汲み取り、時間をかけてそれを望ましい方向に導くのが“グレース流”の教育です。
  • 心身の健全な成長 身体能力を増進させ、自己への自信と他者への信頼感を育成します。
  • 保健衛生 健康的な生活習慣や食習慣を指導します。
  • 教育環境 豊かな自然と文化的な雰囲気を大切にしています。
  • 保護者との連携 保護者会、お父さんの集い、子育て講座、バザーなど、いろいろな機会を通じて密接なコミュニケーションを図っています。
  • 就学への準備 年齢相応な“育ち”を促進します。

目標 Goal

  • 1歳児
    • 安心できる保育者との関係の下、簡単な身の回りのことを自分でやってみたいと思えるようにする。
    • 自然物や周りのものに興味をもち、歩行や探索を楽しむ。
  • 2歳児
    • 規則正しい生活を過ごし、身の回りのことを自分でしようとする。
    • 仲良しの友達ができ、クラスの友達にも関心をもつ。
    • イメージを共有しながら、みたてやつもり、ごっこ遊びを楽しむ。
  • 満3歳児
    • 喜んで幼稚園に登園する。
    • 保育教諭や友達と一緒に自分の好きな遊びを楽しむ。
    • 身の回りのことを自分でしようとする。
  • 3歳児
    • 衣服の着脱、食事、排泄、休息など、生活に必要な基本的な生活習慣を身につける。
    • 身近な人とのかかわりや、友だちとあそぶことの楽しさを実感する。
  • 4歳児
    • 集団生活を通して自立心を養い、ルールを守って行動することの大切さに気づく。
    • 日常の挨拶を含め、言葉による表現力を養う。
  • 5歳児
    • さまざまな経験や活動を通して、思考力・行動力・表現力を身につけていく。
    • 友だちとの連帯感を深めながら、力を合わせて物事をやりとげる喜びを味わう。

今と昔 Now And Old

初代園長
“Oscar”保良 貞四郎 (1886~1956)

教育の原点をキリストの「愛」に求めた。
和歌山県に生まれる。
南カリフォルニア大学を経てデンヴァー大学卒。アイリフ神学校卒。メソジスト教会牧師。
滞米24年。

第二代園長
“Grace”保良 せき (1893~1980)

「お母さん先生」と、園児や保護者から慕われていました。
長野県に生まれる。

コロムビア大学卒。日本人最初の合衆国公認看護婦。
ニューヨーク市のスラム街で訪問看護婦として働く。
滞米12年。
大阪女学院、神戸女学院大、同志社大、聖和大で、教鞭をとる。
婦人参政権が実現するやいなや、厚生省初代看護課長に就任。
国家試験制度の制定など、看護婦の地位向上に努めた。
保健文化賞(昭和34年)、黄綬褒章(同35年)、叙勲(同40年)。
伝記:わが国保健事業の母 保良せき伝。(日本看護協会)
シリーズ福祉に生きる41 保良せき。(大空社版)

第三代園長
保良 徹 (1932~2020)

東京芸術大学作曲科に入学し、作曲を池内友次郎、指揮を渡辺暁雄、ピアノを伊達純に学んだ。第23回日本音楽コンクール作曲部門に入選。アメリカ合衆国及びヨーロッパへ留学。
ジュリアード音楽学校(ニューヨーク)、エコール・ノルマル(パリ)、モーツァルテウム(ザルツブルク)で音楽理論をパーシケッティ、作曲をデュティユー、対位法とフーガをプレ・コサード、指揮をフルネ、デルヴォー、メレシュなどに学んだ。
Ecole Normale de Musique de Paris 指揮科首席卒。

コンクール入選作(歌曲)が話題を呼び、22歳で現代音楽協会々員になる。徐々にNHKの仕事が増え、“音楽の花束” “音楽の贈り物” “舞踏回り舞台”など、音楽やバレエ番組の常連として活躍する。
20歳代後半に60名編成の「保良徹管弦楽団」を組織して、“立体音楽堂”(初期の実験的ステレオ放送)にレギュラー出演、教育TV“音楽の窓”に講師として連続13回出演。
創作活動のかたわら、創立者の遺志を継いで幼児教育に力をそそいだ。